消費税増税から1カ月が経過し、1日発表された4月の百貨店売上高や新車販売の統計で、増税前の駆け込み需要の反動減が表面化した。増税を嫌気して落ち込んだ高額品に対する購買力がいつ、どの程度回復するかが景気の先行きを占う鍵だ。
百貨店大手3社の4月の売上高速報は、三越伊勢丹が前年同月比7.9%減、J.フロントリテイリングが15.3%減、高島屋が13.6%減だった。ブランドや時計などの高級品を中心に反動減が出た。
ただ、各社とも3月の売上高は、駆け込み需要で3割程度の伸びを記録。前回の消費税増税前の駆け込み需要があった1997年3月に比べて「山」が高かった割に反動減の「谷」は浅い。
各社は、増税後も消費意欲自体に大幅な減退はないとみており、企業業績の改善で大手の一時金が増加するとの期待感から「施策を打つ前提で、夏ごろにはプラス転じれば」(J.フロント)と期待する。