質の高いコーヒーで顧客の囲い込みを図る動きが、コンビニエンスストアからファミリーレストランやスーパーに拡大している。セブン&アイ・フードシステムズが運営する「デニーズ」は4月から、創業以来40年ぶりにコーヒーの味を大幅に刷新。消費税率引き上げ後の外食離れを引き留める集客戦略の軸に位置づける。コンビニ各社も店内での飲食サービスを拡充する構えをみせており、専業のカフェチェーンを巻き込んだコーヒーをめぐる競争は業態の垣根を越えてさらに過熱しそうだ。
「増税後にお値打ち感を打ち出し、カフェの利用者を取り込みたい」。セブン&アイ・フードシステムズの小松雅美・商品開発部長はこう語る。
同社は豆の焙煎(ばいせん)方法を変更し、コーヒーの濃度を高めた。従来は食事に合うようスッキリした味わいだったが、コンビニの店頭でコーヒーが浸透するとともに、飲み応えのある質の良さを求める顧客が増えてきたことに対応したという。コーヒーを大幅に見直すのは1974年の創業以来初めて。