ビジネスチャンス逃さない大ガス ニッチな分野で世界シェアトップクラス (2/4ページ)

2014.5.25 07:46

“白い炭素”と呼ばれるフルオレン。携帯電話のカメラレンズ樹脂として使われる(下、大ガス提供)。上は大ガス本社

“白い炭素”と呼ばれるフルオレン。携帯電話のカメラレンズ樹脂として使われる(下、大ガス提供)。上は大ガス本社【拡大】

  • 大阪ガスの化学事業は石炭由来の炭素物質を扱う。「石炭は宝の山」。大阪ガスの化学事業の“社訓”だ

 一方、活性炭事業では昨秋、スウェーデンのジャコビカーボンズを買収し、一部商品で、世界シェア1位に躍り出た。その他にも、石炭由来の炭素繊維からつくった軽量断熱材が新幹線N700系に採用されるなど、話題が続く。

 大ガスがなぜ化学事業を手がけるのか。答えは、同社が都市ガス製造を始めた約1世紀前にさかのぼる。

 当時、都市ガスは石炭を密閉状態で加熱(乾留)させて取り出していた。その際、コールタールやコークスなどさまざまな副産物が排出される。これらの活用について研究を続け、その成果が花開いた。

 「石炭は宝の山」-。大ガスケミカルがうたう社訓だ。コールタールを分留するとフルオレンが抽出でき、熱処理すれば、活性炭や炭素繊維ができる。N700系に採用された軽量断熱材は、この炭素繊維をもとにつくられた。

 リストラ対象事業が一発逆転

 ただ、化学事業は順風満帆ではなかった。転機は、昭和50年代から徐々に始まった輸入天然ガスへの転換だ。都市ガス生成に石炭は不用となり、研究の継続も危ぶまれた。フルオレンが開発されつつあったものの、実用段階になかった。

「このまま終わりにしたくない」

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