千葉工業大学は17日、原発事故を想定した新型災害対応ロボット「櫻壱號(桜1号)」を開発し、3月に日本原子力発電原子力緊急事態支援センターに納入したと発表した。同センターでの操作研修などを経て、災害発生時には現場での被害状況の把握などに活用される。
桜1号は平成23年の東京電力福島第一原子力発電所事故後に投入されたロボット「クインス」をベースに、防水、防塵、耐放射線の性能を向上させた。電池の稼働時間を8時間とし、作業性を高めた。
原子炉建屋内の狭い階段や踊り場でも走れるよう幅70センチ、傾斜45度でも走行可能。深さ1メートル未満の水中でも走れる。頭部にある4台のカメラで現場を撮影する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の協力を得て、事前訓練用のシミュレーターも開発した。
千葉工大はこのロボットに関する技術を、試作開発支援の日南(神奈川県綾瀬市)に供与。同社は今後、企業の求めに応じたロボットを開発製造、販売する方針だ。