携帯電話やスマートフォン(高機能携帯電話)のカメラレンズ用樹脂、水や空気の浄化に使う活性炭…。実はこれ、大阪ガスが国内外でトップクラスのシェアを誇る商品群だ。最近でもタッチパネル用の新たな液晶フィルムを開発したり、スウェーデンの活性炭メーカーを買収したりと化学事業を強化している。それにしてもガス会社がなぜ化学製品と思いきや、そこには、あらゆるビジネスチャンスを逃さない大ガスのDNAがあった。
石炭は“宝の山”
「確かにニッチ(隙間)だが、その分野で光る商品をつくっている」。大ガスグループで化学事業を手がける大阪ガスケミカル(大阪市)の久保貴義執行役員は、こう話す。
携帯電話やスマホで標準装備となったカメラ。世界で流通する大半のレンズ素材に使われているのが、大ガスケミカルが製造する化学素材「フルオレン」だ。高い光学特性と優れた耐熱性から小型化したカメラレンズに不可欠の素材で、世界シェア5割超の大ガスケミカルは断トツのトップを走る。