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バレエ最高峰 木田さん、日本人初のブノワ賞

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バレエ最高峰 木田さん、日本人初のブノワ賞

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バレエのブノワ賞の最優秀女性ダンサー賞を受賞した木田真理子さん(右)=2014年5月27日、ロシア・首都モスクワ(タス=共同)  世界の権威あるバレエ賞の一つ、ブノワ賞の受賞者が5月27日、モスクワで発表され、スウェーデン王立バレエ団の第1ソリスト、木田真理子さん(30)が最優秀女性ダンサー賞を受賞した。ブノワ賞の全部門を通じて日本人の受賞は初めて。

 「驚きでいっぱい」

 木田さんはスウェーデン王立バレエ団で2013年、新たに演出された「ジュリエットとロミオ」のジュリエット役を演じ、高く評価された。アメリカン・バレエ・シアター(ABT)のトップ女性ダンサー、ポリーナ・セミオノワさんも同時に受賞した。

 木田さんは共同通信の取材に応じ、「小さいころから知っている賞をいただけるとは思わなかった。驚きでいっぱいです」と受賞の喜びを語った。

 木田さんは大阪出身。4歳でバレエを始め、大阪府箕面(みのお)市の千里国際学園高等部(現・関西学院千里国際高等部)1年で16歳だった2000年、スイスのローザンヌ国際バレエコンクールで優秀賞を受賞。米サンフランシスコのバレエ学校で学び、カナダのバレエ団などを経て12年にスウェーデン王立バレエ団に入団した。

 恩師「まじめ」「資質あった」

 出身地の大阪では、木田さんを知る関係者から祝福の声が相次いだ。木田さんが幼いころ、姉と一緒に通った箕面市の「ワクイバレエ団」芸術監督の涌井三枝子さん(73)は、「コツコツまじめに練習に取り組む子」と振り返る。一方で「おおらかなところもあった」。小学生のとき、発表会本番の群舞で1人だけトーシューズの上にソックスをはいて出てしまったという。

 「舞台裏で脱ぎ忘れたのでしょう。それでも動じず、しっかり踊り抜いたことに驚いたのを今でも思い出します」。

 千里国際学園高等部の1年生の時に、若手ダンサーの登竜門として知られるローザンヌ国際バレエコンクールに入賞。米サンフランシスコへの留学前に励ましたという合志智子教諭は「『バレエは誰にも負けないよう頑張っていきたい』と話してくれたのを、キラキラした笑顔とともにはっきりと思いだせます」と話した。

 ローザンヌ入賞前から指導していた「ソウダバレエスクール」(大阪市西区)の宗田静子さん(65)は「表情も音楽性も豊か。役に自分の表現したいことをプラスアルファできる一流ダンサーの資質は当時からあった」と評する。「これからはダンサーから目指される存在。活躍する姿を日本の後輩たちに見せてほしい」と期待を寄せた。(SANKEI EXPRESS

 ■ブノワ賞 毎年、前年に世界で最も活躍したダンサーや振付家などバレエ関係者に贈られるロシアの賞。1992年に創設され、モスクワを拠点とする国際ダンス連合が主催している。ブノワの名前は、20世紀初頭のパリを舞台にロシア人を中心に結成され、モダンバレエの基礎を築いたとされるバレエ団「バレエ・リュス」の舞台デザイナーだった画家のアレクサンドル・ブノワ(1870~1960年)にちなむ。過去にシルビー・ギエムさん(49)やモーリス・ベジャールさん(1927~2007年)らが受賞している。

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