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【ローザンヌバレエ席巻】こつこつと… 背景に高い技術

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【ローザンヌバレエ席巻】こつこつと… 背景に高い技術

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スイス・ローザンヌ  ローザンヌ国際バレエコンクールは、2年前の2012年にも当時17歳の菅井円加(まどか)さんが優勝するなど日本人バレエダンサーの躍進が目立つ。背景には、跳躍など一つ一つの技を高いレベルでこなす技術力が指摘されている。

 舞踊評論家の佐々木涼子さん(69)は「基本からしっかりと積み上げた技術力が極めて高い水準に達している」と分析。「一般的にバレエは優美なイメージが強いが、実は技術の優劣がはっきりと出る踊り。こつこつと技を磨く日本人の性格に向いている」と話す。

 40年以上バレエ指導に携わる法村(ほうむら)友井バレエ団(大阪)の法村牧緒団長(68)は「日本人は欧米人に比べて小柄で手足も短い分、重心をコントロールしやすく、難しい技を身につけやすい」とし、日本人の体形が、技術向上に一役買っていると指摘する。練習意欲も際立っているといい、法村さんは「国内でもコンクールが盛んで、技を磨く意識が非常に高い」。二山(にやま)治雄さんが日本人男性として1989年の熊川哲也さんと並び優勝を果たしたことで、「男性のバレエも勢いが増していくと思う」と期待を込めた。

 ≪二山さんの雄姿に感激 「完璧な演技」「格好良い」≫

 国際的な晴れ舞台で快挙を成し遂げた二山(にやま)治雄さん。受賞が決まった後のインタビューでは、「家族やいろいろな人の支えがあってのこと」と謙虚な姿勢で周囲への感謝を口にした。

 その家族、父の正治さん(58)と母の晶子さん(56)は、ローザンヌからはるか遠く離れた長野の自宅で息子の雄姿をインターネットの中継で見届けた。

 二山さんは3人の姉がいる4人きょうだいの末っ子。長女の小林玲子さん(28)は、大会初日に無料通信アプリLINE(ライン)で二山さんから「他の選手は自分より足が長く、背も高い」と弱気のメッセージが届いたことを明かし、姉たちで「自分の踊りを楽しんで」と励ましたという。

 「完璧な演技」と感激するのは、二山さんが通う白鳥バレエ学園(本部・長野市)の講師、塚田まゆりさん。二山さんがバレエを本格的に始めたのは小学6年で、「黙々と努力する子だった」と振り返る。この半年間は連日深夜2時ごろまで特訓。練習場のソファで寝ることもあったといい、「これからもみんなが感動する踊りをしてほしい」と期待を込めた。

 在学する松本第一高校(松本市)の同級生の女子生徒(16)は「二山さんはムードメーカー。普段とのギャップに驚いたけど、格好良かった」と声を弾ませた。体育の授業を受け持つ田中実佳教諭は「のんびり屋さんと思っていたが、演技には圧倒された」と話した。(SANKEI EXPRESS

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