全国生活衛生同業組合中央会や日本フードサービス協会などの5つの団体は、「受動喫煙防止強化に対する緊急集会」を開いた。集会では、厚生労働省が2020年の東京五輪・パラリンピックを見据えて進める受動喫煙防止対策に対して、「サービス業に対し一律に原則建物内禁煙を課すのではなく、これまでの業界の自主的な取り組みに対して理解と支援を求める」という決議を採択した。
また、東京都たばこ商業協同組合連合会は24日、JR錦糸町駅前で規制強化への懸念を示す街頭署名を行う。各団体とも、健康のための受動喫煙防止の必要性や、方向性に異論を唱えていくのではないことを前提としながら、業種の性質や事業規模に応じた柔軟な対応の必要性を訴えている。
日本フードサービス協会は、外食産業においては、顧客が自分の趣向に合わせて店や施設を選択できるという自由があるという点を強調する。「食事の時のたばこは嫌だが、食後にコーヒーを飲みながら吸いたい、仕事が終わった後お酒を飲みながら吸いたいなど、さまざまな趣向に応じられる店があるのが外食産業の魅力。各店舗では、条例があるからではなく、お客さまのニーズや提供しているサービスに応じて、喫煙、分煙、禁煙を自主的に進めてきた。今後も、規制強化ではなく自律的に進めていくことを検討してほしい」と、取り組みへの理解を求めた。
近年の五輪・パラリンピック開催国は、公共の施設などで、罰則を伴う受動喫煙防止対策を実施している。厚労省は、日本の受動喫煙防止対策を歴代開催国と同等の水準とするため、従来の努力目標よりも実効性の高い制度を目指しているという。
今国会に提出される見通しの健康増進法改正案に、事業者への配慮がどこまで盛り込まれるかが注目される。