宣言文は「IMFの決定に従い、われわれは、10月1日の人民元の特別引き出し権(SDR)構成通貨入りを歓迎する」という。SDR入りの条件にしているはずの中国の金融市場自由化や人民元の変動相場制移行には一切触れない。中国をさらに強大化させる国際通貨人民元にひれ伏したかのようだ。
「鉄鋼及びその他の産業における過剰生産能力が、共同の対応を必要とする世界的な課題であると認識」とはよくぞ言った。課題を中国にではなく世界に押し付けた。
「シン・ゴジラ」では、生き残った政治家や官僚らが愛国心に燃え、決死のゴジラ凍結作戦に出た。杭州G20では議長、習国家主席側近の官僚たちにやすやすと屈した。中国ゴジラの物語には悲惨な結末しか見えてこないようだ。(編集委員 田村秀男)