グラフをみよう。銀行融資は円換算で増え続け、今年は年間200兆円を超える。この信用膨張に引き上げられるかのように上海不動産の騰勢が止まらない。実体経済を示すGDPのほうはというと、増えてはいるが勢いは弱い。5年前はGDPを1増やすためには融資増1で済んだが、今年は3以上必要になっている。
融資の裏側は債務である。国際決済銀行(BIS)統計によれば、昨年末までの3年間で中国の企業、政府、家計の債務合計は約920兆円増え、増加規模は景気が堅調な米国の2倍以上、世界合計の3・5倍にもなる。実体経済が健全であれば借金が増えても返済されるので信用不安は起きないが、中国は不動産バブルの再発と過剰生産の中での債務膨張である。中国はゴジラさながらに世界経済にとって最大の脅威なのだ。
国際社会が習政権に対し、チャイナリスク軽減へと是正策を求めるのは当然だし、IMFやWTOそして20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)などと、その場はいくらでもある。
しかし、中国・杭州で開かれたG20はどうだったのか。