ブランド評価高め
十勝ハーブ牛の生産を行うノベルズ(北海道上士幌町)は、ベトナムへの輸出を始めた。長期肥育によって赤身が多くジューシーな肉質が売り物で、フランス料理のニーズが高い同国を最初のターゲットとした。これから勝負をかけるのは「アメリカのど真ん中」(園尾眞一・取締役)。ニューヨークの高級料理店への食い込みを図り、ブランド評価を高めてから徐々に広げていく戦略だ。
一方、京都市中央市場は香港に向け、九条ねぎや万願寺とうがらしなど京野菜の試験輸出に乗り出した。凸版印刷などの技術支援を受け、輸送日数の長い冷蔵コンテナの鮮度保持調査を実施する。
こうした動きを支えるのは、日本の食材の品質に対する信頼度。タイの輸入会社の担当者は「高級志向が強い顧客からの引き合いがとくに目立つ」と話す。これまでは野菜や果実の調達が中心だったが、これからはカキをはじめとした海産物も積極的に購入する。(伊藤俊祐)