海外へ「攻めの農業」加速 健康ブームや高級志向が追い風 (3/3ページ)

2016.9.2 06:55

「サツマイモ専用の包装フィルムを開発したことで輸出量が大幅に伸びた」と語る、くしまアオイファームの下出副社長
「サツマイモ専用の包装フィルムを開発したことで輸出量が大幅に伸びた」と語る、くしまアオイファームの下出副社長【拡大】

 ブランド評価高め

 十勝ハーブ牛の生産を行うノベルズ(北海道上士幌町)は、ベトナムへの輸出を始めた。長期肥育によって赤身が多くジューシーな肉質が売り物で、フランス料理のニーズが高い同国を最初のターゲットとした。これから勝負をかけるのは「アメリカのど真ん中」(園尾眞一・取締役)。ニューヨークの高級料理店への食い込みを図り、ブランド評価を高めてから徐々に広げていく戦略だ。

 一方、京都市中央市場は香港に向け、九条ねぎや万願寺とうがらしなど京野菜の試験輸出に乗り出した。凸版印刷などの技術支援を受け、輸送日数の長い冷蔵コンテナの鮮度保持調査を実施する。

 こうした動きを支えるのは、日本の食材の品質に対する信頼度。タイの輸入会社の担当者は「高級志向が強い顧客からの引き合いがとくに目立つ」と話す。これまでは野菜や果実の調達が中心だったが、これからはカキをはじめとした海産物も積極的に購入する。(伊藤俊祐)

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