地域でつくったものを地元で消費する「地産地消」が進化している。地元の野菜や魚を総売り上げの20%扱うとする数値目標を設定し取り組むスーパーが出現する一方、再生可能エネルギーでつくった電気を地元で販売する新電力会社も生まれている。
◆生産者が値段決定
スーパーに入ると「地のもんひろば」と銘打った野菜コーナーが広がる。並べられた箱に、農家が自分で値段を付けた野菜をどんどん置いていく。
140円で売るブロッコリーを運んできた若い男性が話してくれた。
「青果市場に出すと、競りのため販売価格が不安定で年間の収入が見通せない。ここだと価格の決定権はこちらにある。経営が見通せるので楽になった」
島根県益田市を拠点とする中堅スーパー「キヌヤ」の中吉田店を訪ねた。目立つ場所にはブロッコリー、新タマネギ、キャベツがある。「店の隣の畑で収穫したものもある」とキヌヤの竹橋勝則青果部門長が笑う。
今扱っているのはトマト、サニーレタス、ナスなどおなじみのものから、タケノコ、山菜のコシアブラ、タラノメまでさまざまだ。農家が“家庭菜園”で小規模に作ったものも販売できる。売り上げは店で管理し、手数料15%を引いて生産者に定期的に支払う。