海外へ「攻めの農業」加速 健康ブームや高級志向が追い風 (1/3ページ)

2016.9.2 06:55

「サツマイモ専用の包装フィルムを開発したことで輸出量が大幅に伸びた」と語る、くしまアオイファームの下出副社長
「サツマイモ専用の包装フィルムを開発したことで輸出量が大幅に伸びた」と語る、くしまアオイファームの下出副社長【拡大】

 日本の農作物輸出が好調だ。海外での和食ブームに加え「安全でおいしく見た目がよい」といった高い評価を背景に、2015年の農林水産物・食品の輸出額は7452億円と3年連続で過去最高を記録。19年には1兆円達成も視野に入ってきた。政府は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関し、攻めの農業を行うとの姿勢を鮮明にしている。これに呼応する形で、生産者や企業による輸出をめぐる動きが加速している。

 6次産業化の代表

 ニンニクを高温高湿という環境に3~4週間置くことで熟成して黒くなる「黒にんにく」。加工と販売を一体化した6次産業化の代表的な商品で、食べると体温が上昇し体の免疫力が上がるという理由から、健康食品として注目を集めている。海外でも人気があり、主力生産地である青森は6、7日、「第1回 世界黒にんにくサミット」を開催する。

 サミットには昨年12月に行われたルクセンブルクとの首脳会談でのレセプションで、安倍晋三首相の舌をうならせた担当シェフが出席。料理の素材としての使い道を追求する。現在は米国をはじめ先進国を中心に25カ国に輸出されており、サミットを契機にブランド力を強化。関係者は「30カ国程度まで増やしたい」と意気込む。

輸出強化に強い意欲を示す農業者や食品加工業者が集結

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