【日韓財務対話】通貨交換協定再開を提案した韓国、体面より「実」を優先 「貸し」を作った日本 (2/2ページ)

2016.8.27 20:28

日韓財務対話を終え、笑顔で言葉を交わす麻生財務相(左)と韓国の柳一鎬・経済副首相兼企画財政相=27日、ソウル(共同)
日韓財務対話を終え、笑顔で言葉を交わす麻生財務相(左)と韓国の柳一鎬・経済副首相兼企画財政相=27日、ソウル(共同)【拡大】

 一方、日本政府は協定再開は「(韓国側から)話が出れば検討する」(麻生太郎財務相)との立場だった。協定は韓国が通貨危機などに陥った際に日本が救済するという側面が強く、「日本からお願いするものではない」(財務省幹部)ためだ。

 韓国に進出する日系企業は約700社あるが、日本から韓国への輸出額は5兆円程度で、米国や中国だけでなく、EU向けより少ない。日本は外貨準備高も巨額で、協定のメリットはむしろ韓国の方が大きい。

 ただ、慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意を機に両国関係は改善傾向にある。さらに、ミサイル発射を続ける北朝鮮や、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で挑発行為を繰り返す中国との関係を踏まえると、日韓両国が協力を深める必要性は増している。

 経済面でも、中国の不良債権問題などによってアジア発の金融危機が起きるリスクはくすぶっており、協定は「予防的機能」(財務相同行筋)の一つになる。このため、日本政府も国内世論をにらみつつも、韓国政府に“貸し”を作った格好だ。(田村龍彦、ソウル 名村隆寛)

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