2015年度の訪日外国人旅行者数は、年度ベースとして初めて2000万人の大台に乗せた。だが、熊本地震の被害が深刻化。訪日の客足が鈍る可能性が浮上しており、政府には風評対策も視野に入れたきめ細かな対応が求められる。
観光庁の20日の会見では、熊本地震の観光における影響に対する質問が集中。田村明比古長官は「ダメージを最小限にとどめるためのプロモーションや情報提供をしたい」などと火消しに追われた。
観光庁が地震被害に神経をとがらせるのには理由がある。政府は訪日客数の上積みを図るべく、旅館施設の整備といった受け入れ態勢の強化や、地方誘客への取り組みに乗り出した矢先。温泉や食材などの観光資源に恵まれた九州地方は、牽引(けんいん)役として期待されていた。