この点、首相は会合で、「(26年4月に)消費税を8%に引き上げた後、消費が十分に戻っていない」と話しており、今後、世界経済の減速が国内消費に与える影響を検証していくとみられる。
もっとも、市場では「首相の増税先延ばしの腹は固まっているのではないか」との観測も強まる。
スティグリッツ氏は財政再建より経済成長を優先する首相の考え方に近く、会合で消費税増税に反対と表明することは事前に予測できた。17日の第2回会合以降も首相の考えに近い有識者が相次いで登場する。
会合の名目は、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向けた勉強会だが、首相が26年11月に10%への引き上げ見送りを決断した際、有識者を招いた「点検会合」を相次ぎ開いた経緯と酷似しており、「『先送り』に向けた地ならしが始まった」(農林中金総合研究所の南武志主席研究員)との声が上がっている。(山口暢彦)