ただ、消費の弱さの根底には「消費者のデフレマインド」(内閣府幹部)がある。15年の実質賃金は4年連続で前年割れとなっており、財布がなかなか緩まない状況だ。
スズキの長尾正彦取締役は「昨年4月の軽自動車税増税後、国内需要が戻らない」と指摘。アサヒグループホールディングスの奥田好秀常務は「価値あるものにお金を払う消費構造は定着している」とし、高付加価値商品投入などで消費を刺激する方針だ。
一方、海外経済の失速も日本に影響を及ぼし始めた。パナソニックは「中国でのICT(情報通信技術)関連の需要減」(河井英明専務)などの影響で16年3月期の業績予想を下方修正した。
GDP項目の輸出は米中向けの機械などを中心に減ったことで、流通分野を中心とした「春節商戦も好調で手応えがある」(資生堂の魚谷雅彦社長)という訪日外国人の「爆買い」効果を帳消しにした。