そのため、日用品から高級品まで、幅広い分野で海外市場への需要が急拡大しているというのだ。
こうした中国の消費動向に詳しく分析したシンクタンク「日本総合研究所」理事、藤井英彦氏は「中国のように海外旅行の消費金額が、外国人旅行者の国内消費額を上回る国は、世界的にみても例外的」と、その特異性を強調する。
海外旅行を兼ねた消費ブームもあり、中国の1人あたりの消費金額もうなぎ上りだ。11年までは1000ドル前後で推移していたが、12年以降に急上昇。15年は1617ドルに達する勢いだ。これは単純換算すれば19万円強。
一方、中国人が日本で使った消費金額は今年7~9月で1人あたり28万円と推定されている。
藤井氏は「統計が異なるため単純な比較は難しいが、中国人旅行者は日本で他国よりも積極的に購買行動している可能性が高い」と指摘。日本製品への信頼感などが“爆買い”現象を生んだとみている。