足元見られた日本
英国は、欧州連合(EU)に残るべきかどうかの国民投票を2017年までに行う予定だ。大陸欧州の加盟国が進める政治統合の深化を牽制する狙いがある。キャメロン氏にとって、EU内で発言力を増すためにも、経済を確固たる回復基調に乗せることは最重要課題なのだ。
国益のためならば、価値観を異にする中国とも手を組み、EU脱退も辞さないとするキャメロン氏は、目的達成には手段を選ばずのマキャベリストに徹しようとしているのだろう。
英国は、中国が主導する「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」にも先進7カ国(G7)で最初に参加を表明し、中国に大きな貸しを作った。
中国は、英国を取り込むことで「新型の大国関係」の実現に自信を得ているようだが、英国には英国の、したたかな戦略があるのだ。