経済紙らしい論評だが、英国にしてみれば「変節」したのはむしろ米国であり、中国の増長を許したのも、オバマ政権が対中融和を優先してきた結果だ。そう言いたいようである。
世界第2位の経済パワーを背に、政治的にも自己主張を強める中国。いまや怖いものなしで、力による版図拡大の野心がむき出しになってきた。
南シナ海で中国が進める人工島建設についても、オバマ政権は今頃になって「力には力で」の方針に転じ、イージス艦の派遣に踏み切ったが、流れは簡単に変わらないだろう。
なにより、中国が自ら火を付けた国内のナショナリズムを制御できなくなっている。軍事衝突の可能性が高まれば、オバマ政権の弱気の虫が、またぞろ動き出しかねない。腰が定まらない米国からの批判は、もはやキャメロン氏には響かない。