2015.10.13 07:00
現在、日本と国外を直接結ぶパイプラインはなく、LNGは船舶によるオーストラリアやロシアなどからの輸入に頼っている。日本では、港付近に輸入したLNGを貯蔵、再ガス化するLNG基地を設置。そこからパイプラインをひいて各地に供給されている。
財務省貿易統計によると、平成26年のLNG輸入額は過去最高の7兆8500億円で、東日本大震災前の22年と比較すると2倍以上に膨らんだ。震災後、国内の原発が稼働を停止。火力発電を増やさなければ電気が足りなくなり、LNGなどの燃料の輸入が急増した。
震災では、LNGが注目されるようになったもう一つの出来事もあった。
LNG基地の一つだった仙台市ガス局が津波被害にあったが、日本海側の新潟市とパイプラインがつながっていたため、ガス供給の早期再開が実現した。
もしパイプラインがつながっていなければ、仙台市ガス局の施設が復旧するまで、ガス供給は長期間止まったままだったと想定される。ライフラインの復旧はさらに遅れただろう。