2015.9.25 06:35
経済産業省は、都市ガスなどから取り出した水素を使って発電する家庭用燃料電池「エネファーム」の導入補助金を2016年度も継続する方針を固めた。当初は今年度で打ち切り、16年度から自立した普及段階に入る予定だったが、低コスト化が思うように進まず断念した。政府は温室効果ガスの排出を抑えるため、燃料電池の普及拡大を目指しており、引き続き後押しする。
補助金は09年度に設けられ、設置者の負担軽減を図ってきた。補助額は年々引き下げられ、現在は1台当たり最大35万円(既築住宅への設置は40万円)。
エネファームを設置すれば4人世帯で光熱費を年5、6万円削減できる。経産省は10年を切る期間で従来型の給湯器(設置費込みで35万円程度)との価格差を回収できる80万円程度にまで価格を引き下げ、自立化にめどをつけたい考え。
だが、足元では販売店の値下げ分を含めた実勢価格でも145万円程度。メーカーは高価な白金の使用量を抑え、部品点数を減らすなど低コスト化を進めているが、補助金なしで導入が本格化する水準には至っていない。このため、経産省は「いまやめれば普及が大幅に減速する」とみて、来年度以降も補助制度を続けることにした。