日銀は15日、金融政策決定会合を開き、国内外の景気判断を引き下げた。「新興国が減速している」として海外経済に関する判断を下方修正。国内も、全体としては「緩やかな回復を続けている」との判断を維持したが、「輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられる」との表現を付け加え、事実上引き下げた。
黒田東彦(はるひこ)総裁は決定会合後の記者会見で、海外経済の先行きについて「先進国の成長が続き、好影響が波及して新興国は減速から脱する」との見方を示し、国内についても「経済の好循環がしっかり働いている」などと強気の見通しを崩さなかった。だが、原油安の影響で2%の物価上昇目標の達成時期が平成28年度前半ごろから遅れる可能性に言及するなど、黒田総裁の経済・物価見通しと景気の実態には乖離もうかがわれる。日銀が経済見通しを修正する10月末の決定会合に向けて追加金融緩和が必要との声が強まりそうだ。