公明党は15日、2017年4月の消費税率10%への増税時の負担軽減策として、生活必需品の消費税率を低く抑える「軽減税率」の修正案を与党税制協議会に提示する方向で検討を始めた。財務省提案の還付制度では国民の理解が得られないと判断した。自民、公明両党は同日、与党税協を開いて還付制度を議論したものの協議は難航。還付案を土台にした議論は棚上げの様相を呈してきた。
与党税協後、公明党の斉藤鉄夫税制調査会長は「財務省案とともに軽減税率の可能性を追求すべきではないか」と修正案提示を示唆。自民党の野田毅税調会長も「両党における議論の経過は大事にしたい」と述べ、財務省案以外の選択肢を容認する姿勢を示した。
公明党税調幹部によると、修正案は「酒と外食を除く飲食料品」を対象に、店頭の消費税率を8%に軽減する案が有力。課題とされる事業者の納税事務については、商品ごとに税額や税率を請求書に記載するインボイス(税額票)方式が中小企業を中心に反対が強く、現行の帳簿や請求書を使う経理方式にして軽くする。
増税に伴う消費者の負担軽減効果は総額1兆円程度で財務省案より大きく、税と社会保障の共通番号(マイナンバー)制度の個人番号カードを持ち歩かなくてもよくなる。斉藤氏は「財務省案とどちらがより良い低所得者対策になるか比較して検討する」と述べた。