また、福島の原発事故による放射性物質の影響を調査するということを名目に2011年6月に海洋調査船を沖ノ鳥島周辺に派遣した。この同時期に中国海軍艦艇計11隻が沖ノ鳥島南西海域で射撃や洋上給油などの訓練を行った。
中国は空母機動部隊などを擁する米軍の接近を阻止する「Anti-Access(接近阻止)/Area-Denial(領域拒否):A2AD」という戦略をとっている。
日本列島から台湾、フィリピン、インドネシアなどを結ぶ第1列島線、さらに伊豆・小笠原諸島からグアムを含むマリアナ諸島などを結ぶ第2列島線を設定し、軍事防衛上のラインとしている。
沖ノ鳥島はその第1列島線と第2列島線の間にあり、沖縄本島から約1100キロ、米領グアムから約1200キロとほぼ中間に位置している。沖縄本島と宮古島の間の海峡を通過した中国海軍艦艇がそのまま進むと沖ノ鳥島周辺海域に出ることになる。2004年11月に中国の漢級原潜がグアムへの偵察行動を展開した際には、原潜が沖ノ鳥島近海を通過していることが確認された。