2015.8.30 17:08
韓国空軍の主力戦闘機F-15K(韓国空軍公式HPより)【拡大】
さらに離職者155人の操縦士としての技量をみると、約8割の123人がベテランパイロット。戦闘力の低下が危惧される事態という。
通常、軍隊のなかでもパイロットはエリート兵士として優遇される。だが、YTNでは、主な辞職理由として民間航空会社と比べれば格段に低い給与と福利厚生をあげ、さらに「休戦中の北朝鮮と対峙(たいじ)していることによる精神的な負担」も指摘している。
韓国軍では出世街道を上り詰めて大将になった場合、年俸は約1億2800万ウォン(約1400万円)に達するが、韓国の民間航空で機長を務めれば年収は約2億ウォン(約2200万円)とされる。軍のパイロットたちが転職したくなるのも無理はない。
さらに見逃せない要素として「働きがい」があげられる。韓国メディアNEWSis(電子版)によると、韓国空軍パイロットの年間飛行時間は約80時間。米軍や英軍は約200時間で、日本の航空自衛隊が約180時間とされる。韓国空軍のパイロットは米英の半分程度の時間しか飛べない。つまり操縦技量を磨くのも難しくなってきているのだ。