日本は中国と対抗するため平和憲法を隠れみのに米国との軍事同盟を強化し、自衛隊を増強している、と中国指導層は認識している。だからこそ、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題がこじれているのを奇貨とし、日本の首相とは通り一遍の話しかしない習近平国家主席が沖縄県知事とはじっくり会談するのである。
ならば開き直って、日本でも「いずも」を軽空母と呼称し、運用も抜本的に見直してはどうか。この国では、旧軍時代から全滅を玉砕、敗退を転進、戦後も戦車を特車と言い換えてきた。むろん、さまざまな事情があってのことだが、内向けには良くても外向けには通用しない。
「いずも」に航空自衛隊の戦闘機が離着艦できるようになれば、抑止力はいや増す。まあ、その前に海自と空自の風通しをよくするのが先決だが。(論説委員)