風景の番人としての決断 いつの時代でも変わらない至高の価値 (3/3ページ)

2014.12.14 05:30

プレス発表

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  • 中世の街を再生した本社のある丘
  • 工場解体後の風景
  • 現在の風景

 イタリアの建築家は修復の仕事が多い。例えば、古くからの建物の歴史に現代の自分がどのような1ページを加えるか。この視点が強く要求される。何百年もの時間が流れていなくても、数十年でも同じだ。戦後の高度成長期に作られた工場や倉庫も産業遺跡としてコンテンポラリーなデザインと用途で甦る。

 しかし、不要になったものを無理に残すことに意義があるのか? 自然豊かな地方都市に経済成長を優先し、不格好なカタチで残った工場を視界から消すことこそに尽力すべきではないか? 時代は変わったのである。

 このような問いかけがあったのだ。現代に加えられるべき1ページとは、必ずしも現代の装飾を施すことではない。過去にあった価値を復活させることも含むのである。一度、カタチになったものを潰すのは、もしかしたら歴史に断絶をつくるのではないか、との迷いにかられるかもしれない。

 しかし、大地が生き生きとしている自然こそに至高の価値が潜んでいる。これは、いつの時代でも変わらない。一地方の小さな土地の問題と見過ごすには大きすぎるテーマをつきつけられている。

 ローカリゼーションマップとは? 異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

 安西洋之(あんざい ひろゆき) 上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

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