WFOEが中国で外資が制限されている分野の現地企業である「VIE」との窓口だ。WFOEは「VIE」に対して、技術、商標管理、役務サービスなどを独占的に提供するコンサルティング契約を結び、その対価として「VIE」から利益を受け取る。
「VIE」と海外の株主は所有関係にないので、都合よく「VIE」の現地株主が契約を破棄・変更するリスクがある。そもそも中国の外資規制は予測しにくく、企業統治面でも「VIE」は不透明感のあるスキームといえる。
米議会も今年夏に「VIE」のリスクに注目した報告書を発表している。ブロック氏の指摘に加えて、「中国のネット企業では掲載削除に関連した贈賄事件が起きており、米国の海外腐敗行為防止法(FCPA)が適用されるリスクもある」とする。
アリババや既に上場しているウェイボー、バイドゥなど中国ネット企業も「VIE」を利用している。そのリスクは別に秘密でもなく、米証券取引委員会(SEC)に各社が提出した法定書類にちゃんと掲載されている。