ブロック氏はビジネスモデルや会計報告に問題のあるアジア株への空売りで知られている。その著名投資家が、中国ネット株人気に警鐘を鳴らすのはなぜか?
「(不正会計で)米国投資家に損させても、中国の経営者に(刑事手続きなど)厳罰を問う仕組みが米中間で取り決めされていない」うえに、「投資家の支配が及ばない『VIE』構造が信用できないから」という。
ブロック氏のいう「VIE」を直訳すると変動持分事業体で、契約を利用して間接的に中国内の事業に外国資本が関与する仕組みである。ネットや資源など、国益の絡む事業への外資参入が中国では制限されており、その分野で活動する中国企業が海外で資金調達できるようにする「抜け穴」といってよい。
この仕組みでは、まず租税回避地で米国に上場する特別目的会社(SPC)を登記。SPCは中国内に外国人保有会社(WFOE)を子会社として設置する。