【日曜経済講座】編集委員・松浦肇
マンハッタンの高級ホテル、ウォルドルフ・アストリアでは、先週までテニス全米オープンの関係者でにぎわっていた。錦織圭選手が決勝戦に出場した8日もホテルには記者団が押しかけていたが、お目当ては違った。
この日は、中国の電子商取引最大手のアリババ・グループ・ホールディングがホテル内で会社説明会を開いていた。会場に出入りする投資家からは、「すごい案件になりそうだ」と興奮気味のコメントが漏れていた。
アリババは月内にニューヨーク証券取引所へ上場する予定で、企業価値が2千億ドル(約21兆円)規模となる見込みだ。既に資金調達予定額を超える株式購入の申し込みがあったといい、説明会のあった8日はアリババの大株主であるヤフー株が急騰した。