移民増加で経済が再生できるなら、それだけの綿密な経済分析が必要だが、諮問会議では御用経済学者が「技能のある外国人材が活躍できる環境の構築でイノベーション」とするなど、もっぱら高度な外国の人材の大量導入で経済を活性化させるシナリオを強調している。
響きのよい「高度人材」を表看板に掲げ、「技能研修」という名の低コスト労働者の拡大を看板の裏に書いた。その裏のほうは実現するに違いないが、表看板のほうは問題だらけだ。「高度な外国の人材」より低レベルの労働者が大量に入ってくる可能性のほうがはるかに高い。
それでも「持続成長」は達成できるのだろうか。経済学の基本に立ち返ってみよう。
移民があろうがなかろうが、生産適齢人口(15歳以上、65歳未満)が減る中で経済成長を維持するためには、労働生産性を高めるというのが常識である。少子高齢化のトレンドや人口構成が日本とよく似ているのが、移民を受け入れてきたドイツである。