日米など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合が12日、ベトナム・ホーチミンで始まった。
交渉全体の停滞要因となっていた日米協議の進展を受け、知的財産などの難航分野を中心に12カ国全体の調整を再開。15日までの同会合で一定のめどを付け、19、20日にシンガポールで開かれる予定の閣僚会合で大筋合意に持ち込めるかが焦点になる。
会合に先立ち、鶴岡公二首席交渉官は現地で、記者団に「日米協議の大きな進展を推進力として、最終的な取りまとめに向けて大きな成果が出ることを期待する」と述べた。会合では、2国間の関税協議が大きな課題になるとの認識も示した。
12日の会合では、日米が日本の重要農産品5分野の関税の扱いや自動車分野をめぐる両国の協議の進展状況について他の参加10カ国に説明し、理解を求めたとみられる。
日米は4月の首脳会談の共同声明でTPP交渉に関し、「2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した」と表明した。両国とも協議の進展を交渉全体の前進につなげたい考えだ。
≪TPP交渉の主な対立軸≫
賛成 慎重
国有企業の優遇措置見直し 日本・米国 ベトナム・マレーシア
特許や著作権の保護期間延長 米国 ベトナム・マレーシア
環境・労働基準の維持 米国 ベトナム