安倍晋三首相(59)は4月7日、東京・元赤坂の迎賓館で、オーストラリアのトニー・アボット首相(56)と会談し、日豪の経済連携協定(EPA)の締結で大筋合意した。安倍首相は会談後の共同記者発表で、「大筋合意は両国間の緊密化にとって歴史的意義がある」と強調。「可能な限り早期の署名に向けて作業を迅速に進める」と語った。
首脳会談では、EPA交渉の焦点だった日本の豪州産牛肉の関税(38.5%)について、牛肉関税を段階的に引き下げ、冷凍品は協定発効から18年目に19.5%、冷蔵は15年目に23.5%にすることで合意。輸入が一定量を超えた分は関税を38.5%に戻す。
一方、牛肉関税を引き下げる見返りに、オーストラリアは日本車にかけている関税(5.0%)の撤廃に応じることを確認した。
会談ではこのほか、日豪両国の安全保障や経済など多岐にわたる「戦略的パートナーシップ」を強化することを確認。安保協力を一層深めるための防衛装備品の共同開発で一致し、潜水艦の関連技術をめぐる共同研究に着手することで合意した。また、6月に外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を東京で開くことで一致。北朝鮮の核・ミサイル問題や拉致問題では緊密に連携していくことを改めて確認した。