【シンガポール=会田聡】シンガポールで開かれている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合は25日午後、閉幕する。参加12カ国の閣僚は関税撤廃など難航分野で各国の意見対立の解消を目指すが、主要な論点で着地点への方向性を示す「大筋合意」は先送りする公算だ。
甘利明TPP担当相は同日朝、現地で記者団に対し、「意味ある前進はあったが、懸案事項は依然残っている」と述べた。
12カ国は同日午前、貿易・投資促進のために環境基準の緩め過ぎないよう規制する「環境」や「労働」などを議論。午後は今後の交渉の進め方などを話し合い、12カ国の閣僚が共同声明を公表して閉幕する予定だ。
今会合は当初、関税撤廃や知的財産などの難航分野について、閣僚が解決への方向性を示す「大筋合意」を目指していた。だが、日本の農産品関税の扱いをめぐる日米の対立などが続き、合意は先送りが確実になった。
甘利氏は、「次の工程は首席交渉官らに権限を与えて残された課題を詰め切る」と述べた。首席交渉官会合などを経て、5月をめどに次回閣僚会合が開かれる見通し。