22~23日にオーストラリアで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、先行きに不透明感が漂う新興国経済が主に議論される。資源輸入などを通じて新興国の景気を左右する中国も、参加国の関心を集めそうだ。中国の「影の銀行(シャドーバンキング)」問題や景気減速懸念が、新興国不安の下地になっているとの見方も根強い。
「ミステリアスな“第三者”の登場」
米メディアがそんな紹介をしたのが、1月に中国で高利回りの金融商品「理財商品」に返済不能の恐れが生じた際、全額買い取りを申し出た謎の投資家だ。
理財商品は正規銀行を介さない融資を扱うシャドーバンキング問題の焦点。10%近い利回りをうたい、投資家に販売を広げてきた。返済不能となる懸念が報道されると、名前も明らかにされない「第三者の投資家」が突然現れ、事なきを得るという不可解な展開となった。「混乱を恐れた中国政府の意を受けた救済策だ」(中国経済の専門家)とも指摘されている。