パキスタン、電力安定供給を模索 石油依存脱却へ原発増強計画 (2/2ページ)

2014.2.4 07:00

 原油価格の高騰などが発電増強の妨げとなっているため、同国政府は電源の多様化に着手。なかでも原子力発電に注力しており、昨年12月にはカラチ近郊で発電能力が合計220万キロワットとなる原発2基の建設を開始した。この計画は中国が技術支援の他に、総額95億9000万ドル(約9804億円)の建設費用のうち65億ドルを支援するとされている。

 専門家はカラチが近郊を含めて人口1200万を超える大都市圏であることを踏まえ、新原発が安全性、設計、コストの各面で不安が残ると指摘。「原発のリスクと隣り合わせで生活したくないという住民が今後増える可能性がある」と述べ、計画の難航を予想した。

 こうした声に対し、アシフ水利・電力相は原子力発電が100万キロワット増加するごとに石油燃料の輸入コスト10億ドルが削減できると主張し、建設は必要との認識を示した。また、「低コストで環境負荷が少なく、かつ資金が集まる電力計画が他にあるなら提示してほしい。喜んで検討する」と述べ、現時点では原子力が電力増強に向けた最善の選択だと強調した。(ニューデリー支局)

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