パキスタンは1955年設立の国営航空会社の民営化に着手する。現地英字紙エクスプレス・トリビューンによると、同国政府は先月、パキスタン国際航空(PIA)の民営化に向けた第1段階として、保有株式の26%を売却することを決定した。
PIAは設立と同年に同国の航空会社として初めて国際線に進出し、60年にはアジア初のジェット旅客機運航会社となるなど、パキスタンを代表する航空会社として活躍してきた。
しかし、非効率的な経営や燃料費の高騰、他社の台頭などで業績が悪化し2001年以降では黒字決算が2度(02、04年)と赤字が定着。ここ数年は年間赤字が約300億パキスタンルピー(約278億円)に達するなど経営不振が深刻化していた。
労働組合の反発も予想されるが、シャリフ首相は「政府は国営企業改革に全力で取り組んでおり、むろんPIAもその中に含まれる」と述べ、民営化方針を堅持する姿勢を表明。現経営陣に対し、民営化後を視野に入れて早急に赤字幅を縮小するよう努力を求めている。