財政の危機的な状況が続くパキスタンに対し、国際通貨基金(IMF)は今後3年で67億ドル(約6610億円)を支援する。支援は融資の形で行われ、第1弾として債務返済への充当などを目的に5億4000万ドルの融資が実行される見通しだ。1958年以降、IMFからパキスタンへの融資は16度目。現地英字紙エクスプレス・トリビューンなどが報じた。
IMFからパキスタンへの支援は返済の遅延などにより2011年に中断。経済再建を目指すシャリフ政権は今年7月、IMFに経済改革案を提示して支援再開を求め、53億ドルの融資で合意を取り付けていた。その後の交渉で増額が話し合われ、今月、支援再開が正式決定した。
支援再開について、IMFは「経済構造の改革を実現して財政赤字を減らし、投資と成長を加速させるのが目的」としている。また、パキスタンは地理条件が良く、人的資源や天然資源に恵まれた可能性の大きな国だと高く評価する。ただし過去の経緯もあり、第2弾以降の融資については、同国政府の改革への取り組み次第だとの立場を取っている。