日本人のルーツは“かん(神)ながらの国”といわれるように、その思想文化の基軸は“清明心・至誠・ふるさと・祖先安寧・国柄”にあり、受容同化力・自然万物との一体化・みそぎ(浄化/転化)・言霊の幸わう国・産霊(むすび)・和魂にあるとされてきました。
ちなみに「大和魂」という言葉の初出は、紫式部の源氏物語、夕霧元服のシーンでの光源氏の言葉です。当時の官吏養成所における和学と漢学の対比融合こそ、日本人本来の智恵や分別・感性を身につけるために深く学問する風習が庶民レベルまで広がっており、世界的にも最古とされる国民教育の原点ともいわれています。
それは、自然崇拝に根ざす表現の大和言葉を多く残したとされる縄文人にいきつく、曖昧で繊細な表現力や石器・土器に残る芸術性・現実の中に情緒の崇高さを意味づけるといった通奏低音で、日本人の意識下に流れていたはずなのですが、戦後これを捨て去ったのです。