日韓、実質実効レート逆転の影響は？　「技術で勝る日本勢が優位に立つ」 (1/4ページ)

　日本企業と韓国企業の輸出競争力に変化が出ている。実質実効為替レートで、昨年１０月以降、円が韓国ウォンに対して約５年ぶりに下回っているからだ。

　２００８年秋のリーマン・ショック以降の急激な円高で、日本勢は韓国勢に押され、自動車や電機業界は海外市場で厳しい戦いを強いられてきた。実質実効レートの逆転は、日韓の競争環境にどのような変化をもたらすのか。

　独立行政法人経済産業研究所が算出する２７カ国の通貨を対象にした実質実効レート（０５年を１００とした指数）によると、円はリーマン後に急騰し、ウォンを上回った。流れが変わったのは１２年末の政権交代だ。

　円の実質実効レートは、１２年１１月２０日に１００を割り込み、その後も日銀が大規模な金融緩和に踏み切ったため、今月１６日には８０．１にまで円安が進んだ。一方のウォンは同じ期間に８３．０から８６．５へと４．２％上昇した。

リーマン後の円高は、日本企業の輸出競争力を削いできた