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福井・若狭の旅 7万年の時を刻む奇跡の湖 残った宿場町 古き暮らしを体験 (1/3ページ)

2016.2.14 14:00

標高395メートルの梅丈岳(ばいじょうだけ)山頂から望む三方(みかた)五湖。濃淡が異なる五種類の青い輝きに目をうばわれる=2015年10月27日、福井県三方上中郡若狭町(共同)

標高395メートルの梅丈岳(ばいじょうだけ)山頂から望む三方(みかた)五湖。濃淡が異なる五種類の青い輝きに目をうばわれる=2015年10月27日、福井県三方上中郡若狭町(共同)【拡大】

  • 若狭湾の神子(みこ)地区の港では毎朝、日本海で獲れた新鮮な魚介類が水揚げされる=2015年10月29日、福井県三方上中郡若狭町(倉谷清文さん撮影)
  • 若狭湾の神子(みこ)地区から望む日本海。幻想的な夕景に包まれると、日頃の疲れも癒される=2015年10月28日、福井県三方上中郡若狭町(倉谷清文さん撮影)
  • 天徳寺境内奥の「瓜割(うりわり)の滝」は環境省選定の「名水百選」に選ばれ、県外からも水を汲みにくる人が絶えない=2015年10月28日、福井県三方上中郡若狭町(倉谷清文さん撮影)
  • 水月湖(すいげつこ)と久々子湖(くぐしこ))をつなぐ浦見川は1662年から開削された。「浦見運河」とも呼ばれる=2015年10月27日、福井県三方上中郡若狭町(倉谷清文さん撮影)
  • 旧逸見勘兵衛家の客室は2階に和室が3つと1階に1つ。外観は昔のままだた、風呂などは新しい設備が備わっている=2015年10月27日、福井県三方上中郡若狭町(倉谷清文さん撮影)
  • 若狭湾の海産物を京都へ運んだ「鯖街道」の最初の宿場町・熊川宿には、江戸から昭和初期にかけての風景がいまも残る=2015年10月27日、福井県三方上中郡若狭町(倉谷清文さん撮影)
  • 宿泊した「旧逸見勘兵衛家」から数軒先にある工房で、手毬づくりも体験=2015年10月27日、福井県三方上中郡若狭町(倉谷清文さん撮影)
  • 福井県三方上中郡若狭町

 梅丈岳(ばいじょうだけ)山頂の展望台から、三方(みかた)五湖を望む。見事なコントラストだ。5つある湖は水路でつながっているが、若狭湾から注ぐ海水の塩分濃度は海から離れるにしたがって徐々に変化。それぞれの水面は5種類の青に輝いて見えた。

 五湖のうち最大の「水月湖」は、地球の歴史を知る上でとても重要な湖として世界から注目されている。

 「年縞(ねんこう)」という言葉をご存じだろうか。湖の底には、長い年月をかけて土などが堆積し、しま模様の層が形成される。「地層の年輪」ともいわれるこの年縞は古代の謎を解く鍵だとして、世界中でサンプルの採取が進められ、研究が重ねられてきた。そしてわかったのが、考古学や地質学における最も重要な手がかりとなるサンプルが水月湖の底に眠っていること。

 地形や周辺環境など年縞が形成される条件が奇跡に近い形で整い、ここで採取された年縞から、現在までに過去7万年の地球の自然や環境の変動が具体的に解析された。水月湖は世界中の研究者のあいだで「奇跡の地層を持つ湖」と呼ばれている。

 私たちはその後、山頂からレインボーラインを下って熊川宿を目指した。途中、天徳寺の境内奥にある「瓜割(うりわり)の滝」に寄ってみる。

「鯖街道」の宿場町

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