【京都うまいものめぐり】
四季を通じて国内外から観光客が訪れる風光明媚(めいび)な地、京都・嵐山。この地で身も心も癒やしてくれる料理旅館が「渡月亭」だ。上品な味わいの中にさりげない隠し技が秘められた会席料理の品々や、味覚の“玉手箱”ともいえる「竹弁当」など、風雅を愛する人々の舌を必ず満足させてくれる。宿泊客ならずとも食後にゆったり入浴することもでき、「京都の休日」を満喫するには最適の館だ。
料理のコンセプトについて「食材の持ち味を引き出すためにできるだけ手を加えず、器や盛り付けにもこだわる」(村井隆顧問)というように、会席料理の先付「春野菜の白和え」が早春を思わせる鶯色の容器に盛り付けられて登場する。
芹、タケノコ、赤貝…
裏ごしをした豆腐に芹(せり)、うるい、長ひじきが混ぜ合わされ、ツクシの頭や白梅の芽をつけた小枝が添えられ、まさに春の装い。もう一品は赤貝の辛しみそあえ。口に含むと赤貝のコリコリとした食感が楽しめる。