米大手ハンバーガーチェーン、マクドナルドは9日、米国とカナダの北米全1万6000店で2025年中までに、鳥かご(ケージ)飼いではなく、すべて地面の上で育てた「ケージ・フリー(平飼い)」の鶏が産んだ卵を使用することを明らかにした。ストレスや運動不足で病気になりやすく、抗生物質に頼りがちになるケージ飼いの鶏の卵を使わないことで、米国内などで高まる消費者の健康志向に強くアピールして、「1955年の創業以来、最大の危機」(複数の米メディア)を打破したい考えだ。
商品価格据え置き
米紙ウォールストリート・ジャーナルやシカゴ・トリビューン、英紙デーリー・メール(いずれも電子版)などによると、マックは全米1万4300店舗とカナダの全1700店舗で平飼いの鶏卵への切り替えを進めていく。
昨年、全米で生産された鶏卵435億6000万個のうち、約20億個をマックが使用。このうち平飼い鶏卵は1300万個程度にとどまっている。
今回の決断について、米マックのマイク・アンドレス社長は声明で「食品やその供給元への関心が顧客の間で高まっている」としたうえで、「平飼いの鶏卵のみを調達するというわれわれの決定は、顧客の期待を上回る商品の品質とメニューの強化につながる」と意義を強調する。