【本の話をしよう】
SANKEI EXPRESSに「和のスタイル」を連載中のイラストレーター、平松昭子さん(44)。キュートでおしゃれなイラストが人気だが、今回タッグを組んだのは、「変身」などの作品で知られる作家、フランツ・カフカ(1883~1924年)。2011年に刊行され大きな反響をよんだ頭木弘樹さん編訳『絶望名人カフカの人生論』を、タイトルに『マンガで読む』を加え、独自の視点で再構成した。
共通項見いだしながら
〈ひとりでいれば何事も起こらない〉〈会社の廊下で、毎朝絶望に襲われる〉…。ずらりと並ぶ何ともネガティブな“名言”が、現代人の共感を呼びまくる。「原作本のファンも多いので、世界観を壊さないように気を使いました。私の作風は、どうしても笑いの方向に持っていきがちなので…。書影を見て、『こんな絵柄で大丈夫なのか?』と心配されていたファンの方もいらっしゃいましたね」と、マンガ化にあたっての苦労を語る。