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強い絆に憧れ 人間的なつながり書きたい 「ミツハの一族」著者 乾ルカさん (1/4ページ)

2015.7.19 13:30

作家の乾ルカさん。父親を見送って、作家としても心境の変化が生まれた。「今まで死者の思いを書いてきましたが、残された人間の『悔い』を書きたいですね」=2015年6月9日(塩塚夢撮影)

作家の乾ルカさん。父親を見送って、作家としても心境の変化が生まれた。「今まで死者の思いを書いてきましたが、残された人間の『悔い』を書きたいですね」=2015年6月9日(塩塚夢撮影)【拡大】

  • 「ミツハの一族」(乾ルカ著/東京創元社、1836円、提供写真)

 【本の話をしよう】

 闇の中では何も見えない「烏目役」と、闇の中でしか物を見ることができない「水守」。決して互いの視線を交わすことができない二人が、死者の思いをともに汲(く)む-。

 『ミツハの一族』は、作家、乾ルカさんの最新連作ミステリー。大正時代の北海道を舞台に、宿命を負った二人の若者を軸に、生と死を叙情豊かに描いた。

 最初から「対」で

 小安辺(こあんべ)は、信州から移住してきた人々が暮らす開拓村。だが、この村には信州時代から続く奇妙な因習があった。未練を残して死んだ者がいると、井戸の水が赤く濁り、死者は鬼となって水源に立つ。村にとって何よりも大事な水源を守るため、「烏目役」と「水守」が死者の未練を浄化し、あの世へと送らねばならないのだ。

 「母方の祖母が岐阜から村ごと北海道に移住してきたんです。岐阜弁でしゃべるし、彼らは平家の末裔(まつえい)だと主張しているのですが、平家を祭る踊りが伝わっていたりする。移住を経ても伝わる伝統や歴史があるんじゃないかな」

「烏目役」と「水守」

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