【本の話をしよう】
地方在住女子の“リアル”を描いたデビュー単行本『ここは退屈迎えに来て』で注目を集めた作家、山内マリコさん(34)。最新小説集『かわいい結婚』では、結婚をめぐる男と女のギャップを痛快にえぐり出した。
結婚して仕事をやめ、専業主婦になった29歳の女子。夫は大好きだけれど、家事は大キライ、こんな生活が一生続くのだろうか-? 表題作「かわいい結婚」をはじめ、27歳の独身男子が突然ナイスバディーの女子になってしまう「悪夢じゃなかった?」など3編を収録。いずれもコミカルな筆致ながら、女子の誰もが抱えている鬱屈を突く快作だ。
手に負えない欲求
「女性は必ず結婚というテーマにぶち当たりますよね。私も適齢期以降ずっと『結婚ってなんだろう?』と考えてきました。慣例化した結婚の矛盾や謎を率直に書こうと思った」。結婚への思いがわき上がってきたのは20代半ばから。