「京の鴨鍋には水菜がお供でしょう。火を通した水菜とは違って生で食べるとほろ苦さと食感が楽しい。エビせんべいは中国のものだから、タイ料理のと違ってちょっと小ぶりなんですよ」と表情豊かに話してくれる吉田さん。
ケータリングから発展
メニューに上る創作料理の数々は「お酒に合う料理」という。吉田さん自身がお酒好きということもあり、ワインの種類も豊富だ。
吉田さん自身の経歴も異色だ。京都市立芸大大学院を経て、ジュエリーデザイナーとして活躍。大学時代から友人宅でホームパーティーを開いたり、自宅に人を招いたりして料理をふるまっていたが、あるとき、美術館のパーティーのケータリングを依頼されたことが料理人になるきっかけとなった。
「数珠つなぎのように次々とケータリングをお願いされて。お寺や美術館、いろんな場所でさまざまな国の料理を勉強し腕をふるいました。ただ、料理の原点はやはり家庭。両親が共働きだったこともあり、おのずと料理するようになりました」