「何かイベントでも?」
また、昨年、台湾や香港などで大学生のデモや集会などが起きたため、習近平政権はその影響が国内に入ることを警戒しており、北京市内の大学生に対する締め付けも強化した。
北京の教育関係者によると、中国の治安当局は5月下旬から、北京大学、人民大学などの主要大学の学生組織を通じて、5月中旬から6月中旬までに、多くの学生が集まるようなイベントを行うことを禁止したうえ、6月4日前後に天安門広場などに行かないようにとの内容の通知を出したという。
しかし、事件から26年の間、学校教育でもメディアでも天安門事件がタブー視され、全く触れられていないため、多くの学生は事件のことを知らない。先の教育関係者によれば「天安門広場でその日何かイベントでもあるのか」と聞く学生もいたという。若者の間で、事件は確実に風化しつつある。
政府批判の流れ恐れ
ある共産党関係者は「習近平政権は推進する反腐敗キャンペーンで党内に多くの敵を作っており、経済、外交分野の政策も今のところはうまくいっていない。国民の不満も高まっている。民間の天安門事件を記念する活動が大きな政府批判の流れになることを恐れている」と指摘している。