【国際情勢分析】
中国で大学生らによる民主化運動が人民解放軍に武力弾圧された天安門事件から、6月4日で発生26年を迎える。中国当局は今年も事件で殺害された大学生らを追悼する活動を禁止し、5月中旬から全国で事件の遺族や民主化活動家らを次々と拘束した。遺族らの間では「私が生きている間に事件の見直しはないかもしれない」といった絶望感が広がっている。一方、香港や米国など海外に逃亡した当時の学生リーダーらは各地で追悼イベントの開催準備を進めるほか、インターネットを通じて中国国内に積極的に発信するなど、事件の風化を必死に食い止めようとしている。
母親らを実質軟禁
天安門事件の遺族を支援する活動家によると、事件で殺害された当時の大学生たちの母親らでつくる遺族組織「天安門の母」の主要メンバーらはこれまで、毎年5月中旬になると、当局者によって「観光」「療養」といった名目で北京以外の都市へ連れて行かれていたが、今年は高齢のため、足腰が弱くなり、遠くへ出かけることができなくなったメンバーが増えた。